宙と生活

僕の作品を通して、その人の中に眠っている「空の記憶」を思い出してもらえたらうれしい 「picnic」デザイナー・タナカトシユキさんインタビュー

【宙と生活編集部】

「いつもの日常に、彩りを」をコンセプトに、自らデザインした宙モチーフのブランドを展開する「picnic」デザイナーのタナカトシユキさん。

今回は制作する上でタナカさんが大切にしているコトや、宙モチーフのアイテムを作りを始めたきっかけ、お気に入りの宙カルチャーのお話などをお聞きしました!


どんな人でも空の綺麗さには魅了され、
写真を撮ったり、見入ったりしてしまう

――編集部(以下、編):まずは、タナカさんが作家活動を開始したきっかけなどがあれば教えてください。

タナカトシユキ(以下、タナカ):僕は作家活動を始めるまでは普通のサラリーマンをしていまして…。

会社ではやりたい仕事ができていなくて、「今の仕事じゃ嫌だ、今の自分じゃ嫌だ…」と想いだけがつのっていく一方で、行動はできずに、もんもんとサラリーマンをしていました。

そんな時に、作り手たちが集まる「もみじ市」というイベントのボランティアスタッフをしたのですが、このイベントが素晴らしく素敵で…!

会場にいるすべての人が幸せなんじゃないかと思えるほどで、この時に作家という生き方をはじめて意識したんです。

それから半年後に、堀江貴文さんの「ゼロ」という本を読んで、書いてある言葉たちに背中を押されて、勢いだけで仕事を辞めて、「picnic」を立ち上げました。

――編:会社と作家活動を両立でなく、まず会社を辞めて作家活動とは激しいですね(笑)

タナカ:そうですね(笑)。
同時並行どころか、作品も会社を辞めてから作り出したので、今考えても恐ろしい馬鹿野郎なのですが…。ありがたいことに、活動をはじめて4年という歳月が経ちました。

――編:タナカさんが現在のような宙モチーフのアイテムを制作するきっかけなどありますか?

タナカ:何の勝算もなく会社を辞めてしまったので、デザインするものは、沢山の方々にいいなって思ってもらえるものにしよう、といろいろ考えました。

そんな時、どんな人でも夕焼けや朝焼け、空の綺麗さには魅了されて、写真を撮ったり、思わず見入ったりしてしまうな…と思ったんです。

僕自身も、綺麗だと思った空の写真をよく撮っていました。

あとサラリーマン時代に、毎年、年賀状をデザインして送っていたのですが、いまの作品に近い、空をモチーフにした年賀状がとても評判が良かったこともあり、空モチーフの作品を作っていこうと考えました。

 

あの時にみた夜空に少しでも近づきたい、
あの時の感動を自分でも生み出したい

――編:作品制作するにあたって、どのような方法で宙を描いていますか?
宙を描く手法や作品のモチーフを生み出す方法について教えてください。

タナカ:旅で訪れた土地の風景や、素敵な空だなと思った時に撮った写真をもとに、パソコンで描いてます。

いちばん初めにデザインしたものは、会社を辞めて「picnic」を始める直前の、人生でいちばん希望に満ち溢れていた時に訪れた直島の海がもとになっています。

――編:瀬戸内の風景は小さな島がぽつぽつと連なって、なんともいえない美しさがありますよね。

タナカ:旅先でインスピレーションを得ることはとても多いです。

僕の作品に「星空と山」というシリーズがあるのですが、あの時に見た輝くような夜空に少しでも近づきたい、あの時の感動や心の震えを自分でも生み出したい…、そう思いながら作った作品のひとつです。

誰もが毎日手にするスマートフォンですが、毎日持つ日常的なアイテムにこそ、自然や空の風景を纏わせて、一緒に過ごしてもらえたらうれしいです。

――編:作品を通して感じてもらいたい思いや、伝えたい気持ちなどがあれば教えてください。

タナカ:いい思い出や、楽しい思い出は、空の下で生まれています。

だから自分の作品を見るたびに、その人の中に眠っている「素敵な空の記憶」を思い出してくれたら素敵だなと思っています。

僕の空の記憶と、アイテムを手に取ってくれた誰かの空の記憶がシンクロして、心を震わせてもらえるような…そんなアイテムが作りたいです。

――編:これから取り入れていきたいモチーフや作品の構想、チャレンジしたいことなどはありますか?

タナカ:自分が見た景色をもとにデザインしているので、山登りにチャレンジして、山頂からの景色をモチーフにデザインしたり…今までの人生で見てこなかった景色を見に行って作品に落とし込めたらいいなと思ってます。

――編: 最後にタナカさんが宙を感じる、アート・アニメ・音楽など…オススメの宙カルチャーがあればご紹介ください。

タナカ:一つ目はアメリカの現代美術家「ジェームズ・タレル」さんの作品です。

21世紀美術館や直島の「地中美術館」に作品があるのですが、天井が正方形に切り抜かれ、刻々と変わる空の様子を眺めることができて、まばたきを忘れるくらい見入ってしまいました。

そして、もう一つご紹介したいのが王舟(Oh shu)というミュージシャンの曲「tatebue」です。(アルバム「Wang」に収録)

音楽が好きな友達の家に泊まった時に、起きてすぐに、レコードでこの曲を流してくれて、聞いた瞬間に心を奪われました。

その部屋には、朝日が差し込んでいて、部屋の外をみると、青空が広がっていて、この曲を聞くと、いつもあの日と同じような、朝日で眩しい青空が脳裏に浮かんできます。

――編:「picnic」さんの描く風景は現実とも夢ともつかない儚さがあって、ファンタジックに世界を表現されているのが印象的だと感じていました。

それは実際の風景だけでなく、様々なジャンルのアートからも宙を感じて、それを作品に反映されているからかもしれませんね。

今年は「宙フェス」に2日間ご出店頂けるということで、とても楽しみにしています!
しかも、9月24日は「中秋の名月」です!

タナカ:去年はじめて出店した時は、たくさんのお客さんと話をすることができて楽しくて、楽しくて、2日間開催されたらいいのになーと思っていました。

その願いが神様に届いたのか、今年は2日間開催されるので、あの多幸感を2日間も味わうことができるのかと今から楽しみでなりません!

宙フェスに向けて新しいデザインを作ってもっていこうと思っていますので、遊びに来られる方は、ぜひブースに遊びに来てください!

 

「picnic」デザイナー/タナカトシユキ

「いつもの日常に、彩りを」というコンセプトで空や自然をモチーフにデザインしたブランドを展開。また「つなぐ」をキーワードにイベントの企画運営やメディアの運営も行う。

site   :http://picnic19.com/
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