宙と生活

はるまきごはん独占インタビュー vol.1 「見えているのに、届かない。 宇宙は悲しくてせつない存在。」

【宙と生活編集部】

星や宇宙をモチーフにした楽曲を多数発表し、前作「メルティランドナイトメア」ではYouTube再生回数が270万回を超えるなど、今話題のクリエイター「はるまきごはん」。

イラストやアニメーションなど、すべてを自身で生み出す多彩な才能が魅力のはるまきごはんさんに今年度の「宙フェス2019」メインビジュアルを担当いただきました。

そこで今回は、はるまきごはんさんの作品に込められた宇宙への想いや、創作のこだわりについてお話をお聞きしました。


「宙フェス2019」のメインビジュアルを担当!

――編集部(以下、編):今回は「宙フェス2019」のメインビジュアルイラストを作っていただきありがとうございました!

はるまきごはん:僕も宇宙や星をテーマに沢山曲を作っていたので、依頼をいただいてうれしかったです。

――編:はるまきごはんさんは、ミュージシャンとして高い人気を集めていらっしゃいますが、音楽活動の他にも、ミュージックビデオのアニメーション制作やイラストなど、すべてを自身で手掛けていらっしゃいます。とても多彩な才能をお持ちですが、「はるまきごはん」としての活動の中心は音楽なのでしょうか?

はるまきごはん:そうですね。今はミュージシャンとしての形が、一番素直にもの作りできると感じています。創作の流れとしては、まず最初に曲が生まれて、その後にイラストやアニメーションを作って…という風に作っていくのが自分のやり方として多いです。

今回は「宙フェス」でビジュアルイラストのご依頼を頂いて、こういった仕事は初挑戦でしたが、実は最近、「スタジオごはん」というアニメーション映像制作スタジオも作ったばかりなんです。

はるまきごはんが担当した「宙フェス2019」のメインビジュアル。はるまきごはんの世界と宙フェスのイベントイメージが見事にシンクロしたメインビジュアルに!

 

――編:こちらこそ、宙フェスのイベントイメージぴったりのビジュアルを作っていただいて興奮しました!

ちなみに、はるまきごはんさんがアーティストとして活動を始められたきっかけはどのようなものでしたか?

はるまきごはん:大学生の頃からすでに音楽活動をはじめていたので、大学卒業と同時に自然に…という感じでした。学生の頃は札幌で活動していたのですが、音楽関係の知り合いがたくさん東京に住んでいたので、東京で活動されている先輩や友達と一緒にやってみたいという思いで東京へ来て。

学生の頃から趣味で曲を作り、動画サイトに発表はしていたのですが、自分の作品がアルバムという形になった時に、アーティストとしてやっていきたいという気持ちが強く生まれてきました。

――編:「プロとしてメジャーデビュー!」という風な感じではないですよね?

はるまきごはん:そうですね。アルバムは全国流通していますけど、俗に言われる「メジャーデビュー」はしていません。今はアーティストにとっても活動の選択肢が多いので、今の自分が一番動きやすい形をとっています。

小学生の頃、自分で作った望遠鏡で見た月の正体は…⁈

――編:今年度の宙フェスは「宇宙のフシギに恋する時間」というテーマなのですが、子どもの頃に宇宙のフシギに出会った思い出などありますか?

はるまきごはん:子どもの頃に、子ども向けの科学雑誌を親が定期購読してくれていて、それが届くのが毎月楽しみでした。宇宙に興味を持ったのは、それが最初だったかもしれないです。

雑誌に付録が付いているんですけど、自分で組み立てる小さい望遠鏡で月を見る回があって。電線についている丸い部分を月だと勘違いしてその表面を一生懸命観察していました。「これが月か…」って。月よりその丸いやつが先に望遠鏡に入ってきちゃうんです。望遠鏡を通してみると、結構これが月に見えるんですよね、笑。

――編:電線の丸いのを月と勘違いするの、私も子どもの頃にやったことあります、笑!モノ作りは子どもの頃から好きだったんですね。

はるまきごはん:モノ作りは本当に好きで…道に落ちてるハンガーやタイヤのホイールを拾って…友達と一緒に「飛行機を作ろう」って、秘密基地に集めたりして!当たり前ですけど、飛行機は作れなくて…。結局、豆電球を使ったランプとか、自分で「発明」って呼んで、工作ばかりしていました。

「ほしいけど届かない」を、宇宙に重ね合わせて表現。

――編:アーティスト活動を本格化するきっかけになった、1stフルアルバム「BLUE ENDING NOVA」は‘彗星の旅’をテーマにされていますが、宇宙をモチーフに選ばれた理由はありますか?

はるまきごはん:この時期は特に宇宙に関する曲やイラストを多く作っていました。

その頃は「ほしいけど届かない」ということをテーマにしたかったんですが、それって宇宙もそうじゃないですか。個人で行くことができない、とても遠くて届かない存在。

そんな宇宙の遠い感じと、僕が伝えたいテーマとがマッチしていたので、気持ちを乗せやすい題材として宇宙をテーマにしました。

宇宙の雰囲気って切なさとか、どこか手に届かない感じがあって。悲しかったり…静かだったり、何もなかったり。ウキウキするイメージの場所ではなくて、どこかせつない場所という感じで

2016年にリリースした1stアルバムは「彗星の旅」がテーマ

 

――編:このアルバムに収録されている曲のタイトル、例えば「銀河録」や「フォトンブルー」など、はるまきごはんさんの造語による曲のタイトルもとても魅力的ですね。

 

はるまきごはん:この頃の曲には造語が多いです。タイトルに造語を使ったのは、世界に1つだけのオリジナルタイトルにしたい!という気持ちが強くあったからです。自分だけの単語や言葉を作りたいなって。「銀河録」には「銀河の記録」っていう意味があるんですが、造語を作るときにはちゃんと言葉の意味まで考えて、響きだけでは作らないようにしています。意味もあって、きちんとその曲の歌詞ともつながりがあるような、そんな作品を作りたいので。

最近は少し変わってきていて、普遍的な言葉をあえて曲のタイトルに使うことが多くなりました。

――編: 確かに、最近リリースされた「再会」は普遍的な言葉のタイトルですね。

はるまきごはん:そうなんです。新曲の「再会」は日常的に使う言葉だし、誰もが知っている普通の言葉ですよね。今はタイトルにはあえて普遍的な言葉を使うことで、その言葉と改めて出会ったときの感じ方や印象が少し変わってしまうような…そんな風になればいいなと思っています。

例えば、僕の「再会」を聴いて、曲を好きになってくれた人にとって「再会」という言葉が、その人の特別な単語になるかもしれない。普通の言葉に新しい意味が生まれ変わるような…そんな感じが最近は面白いなって思っているんです。

造語を作ってそれを体験してもらうことも楽しいけれど、普遍的な言葉に新しい感情や意味を「上書き」しちゃう感覚ですね。

Vol.2はこちら

 


 

はるまきごはん
Musician / Illustration / Animation
札幌に生まれる
スープカレーが好き

site:  https://harumakigohan.com
Twitter:@harumaki_gohan https://twitter.com/harumaki_gohan
Youtube: https://www.youtube.com/c/harumakigohan


テキスト:宙と生活編集部