宙と生活

「宇宙によりみち」~ 星空写真家が紹介する、8月に見たい星空3選~

星空写真家の成澤広幸です。今回も8月の気になる星空情報を3つご紹介します!

宇宙へのよりみちは、どこからでも始められるのがよいところ。
今、あなたのいるその場所から、よりみちを始めてみませんか。

8月の星空情報その①
「ペルセウス座は裏切らない!」
3大流星群のひとつ、ペルセウス座流星群が観測好機!

お盆と言えばコレ!今年もペルセウス座流星群の季節がやってまいました!
流星群が最も流れるであろう日を「極大日」と呼ぶのですが、ペルセウス座流星群の極大日は8/12(水)。極大時刻は22時頃だそう。と言っても、その時間にしか見れない訳ではなく、8/12の前後1週間がオススメ。
今年は月齢にも恵まれていますので、8/10~8/19あたりはゆる~く流星群が楽しめる時期じゃないかなと思います。家族で楽しみましょう!
ペルセウス座の位置は、北東の方角。目印は比較的有名な「カシオペヤ座」。Wの形をしている星座なので知っている人も多いのではないかと思います。カシオペヤ座の右下、そんなざっくりとした覚え方で大丈夫です。そのあたりが放射点になりますので、東の空が大きく開けたところで、全体を見渡すように観察するとよいでしょう。スマホで簡単に星座の位置が探せる、星空ナビゲーションアプリを使うのもオススメです。

流星群観測のワンポイントアドバイス
①寒さ対策を忘れずに!
暑い夏ではありますが、星空がきれいな場所は、夜にとても冷え込むことがあります。しっかりと防寒対策をして、羽織るものを持って行きましょう。また雨が降った後は虫もでやすいので、虫よけ対策もしっかりと。

流星群あるあるで「寒いから防寒してきてね」と言っても、薄着で来ちゃう人が必ずいますので、私は余分に防寒着を持っていくようになりました。
「成澤広幸の星空撮影地105選」より。イラスト:飯田ともき

②あると便利な観測グッズ
流星群の観察に望遠鏡・双眼鏡などの特別な機材は必要ありませんが、空いっぱいに星が流れるため、楽な姿勢で空を見上げられるアウトドア用のチェアや、寝転がって見られるやわらかめのシートがあると楽チン!
ずっと空を見上げていると首が痛くなっちゃうので、寝転んでみられるのが◎。

ペルセウス座流星群の写真です。流星はいつどこで流れるかわかりませんが、タイミングが合えばこんな写真を撮影することも可能。
また撮影の際は必ず「暗いライト」を持参しましょう!私のYoutubeチャンネルにアップされている解説動画も参考にしてくださいね!

https://www.youtube.com/watch?v=uwKY3E9KEGk&t=3s

8月の星空情報その②
~ペルセウス座をいじると流星群がもっと楽しく~
ペルセウス座は「テンション高めの星座」⁉

ところで皆さんは、ペルセウス座がどんな形かをご存知ですか?
名前は有名だけど、星座の形は憶えずらいな…。
実は私も、昔はそう感じていました。

ところがある時、気づいたのです。ペルセウス座って実はすごく「テンション高めの星座」であることを・・・!!!
どうでしょう…!?よく見ると星座から「ウエーイ!!!」とか「ウッヒョ―!!」とか…声が聞こえてきませんか??
なんだかすごく楽しそうw

この星座は、冬の星座であるふたご座にも似ています。コチラがふたご座。
ふたつの星座を比べてみると、ペルセウス座は「めっちゃ陽気なふたご座」という表現がぴったり。
ちなみにペルセウス座流星群の時期には、「ペルセウス座を放射点として流星がたくさん流れます!」というイラストがSNSなどでよく見られるようになりますが、それはこんな画像で…

めっちゃ陽気に「ウホホーイ!」と飛んでいるペルセウス座に集中線がついているような気がして、この事実に気づいてしまうと、タイムラインにこのような画像が流れてきたときにけっこうじわじわきます。

8月の星空情報 その③
まだまだ続くよ!惑星の観測好機シーズン

夏と言えば惑星です!いよいよ本格的な惑星シーズン到来!惑星の基本的な情報については、過去記事「宇宙によりみち 7月の星空情報」で惑星の観察について触れています。チェックしてみてください。
https://sora-life.jp/column/yorimichi2/

なぜ夏が惑星の観察好機かと言うと、日本の上空には「偏西風」というジェット気流が吹いており、この風が冬に強まり夏に弱まるという傾向があるから。台風シーズンになると、中国方面へすすんでいた台風が日本の方向へ急ハンドルを切るのは、この編成風に台風が便乗するからなんです。
この編成風は冬にはなんと秒速100m近くになるため、冬に惑星を見ても、偏西風の影響が強すぎて惑星がぼやけて見えてしまいます。
逆に夏は偏西風の影響を受けにくいため、惑星がはっきりくっきり見えやすいということ!
良いタイミングで火星も接近してきますから、ぜひ天体望遠鏡で惑星を見てください!
天体望遠鏡で撮影した土星

8月の星空情報 その④オマケ
撮影ならばまだ可能性アリ⁉

先月SNSでも話題となった、ネオワイズ彗星

「宇宙によりみち」は3選ですが、気になる方も多いと思うのでネオワイズ彗星についても触れておきます。

6月に「肉眼彗星」と言われるまでに増光してSNSを騒がせたネオワイズ彗星。一時は0.6等級まで明るくなりましたが、現在は4等級まで暗くなりました。目視での観察は難しく双眼鏡でも見つけるのがやっとですが、写真に残すにはまだまだいけるのでは?と期待されています。7/19に撮影したネオワイズ彗星

実際に私の過去の撮影経験から推測すると、6等級程度の明るさがあれば充分に撮影できると感じています。8/10以降は月が細くなっていく「新月期」に突入しますので、望遠レンズや天体望遠鏡での撮影に適した空の暗さになってきます。ぜひ撮影にチャレンジしてみてください。私のYoutubeチャンネルでネオワイズ彗星を撮影したときの感動を動画にして投稿しています。こちらもぜひ楽しんでくださいね。
https://youtu.be/GvhwTP15L9A

いかがでしたか?
今月のよりみちの準備はできましたか。
美しい宙、カワイイ宙、気楽に楽しみましょう。

END

成澤広幸プロフィール

1980年5月31日生まれ。北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスフォトグラファー・映像作家。 公益社団法人日本写真家協会(JPS)正会員。
オーストラリアで撮影された「はやぶさの帰還」の星景写真に衝撃を受け、本格的な星景写真・天体写真・タイムラプス撮影に傾倒していく。
写真スタジオ、天体望遠鏡メーカーでの勤務の後、2020年4月に独立。 全国各地のカメラ専門店・量販店で星空撮影セミナーを多数開催。カメラ雑誌・webマガジンなどで連載を担当。
ミュージシャンとしての一面も持ち、自身のタイムラプスムービー作品には自らが作曲・演奏・制作した音楽で動画を演出している。
Youtubeでの活動を本格的にスタートし、星空撮影・タイムラプス撮影、天文情報など、さまざまな情報発信に努めている。
2018年12月に著書「成澤広幸の星空撮影塾」、2019年11月に監修「成澤広幸の星空撮影地105選」を出版。

Youtubeチャンネル:Hiroyuki Narisawa Timelapse Film
成澤広幸 HP:https://www.hiroyukinarisawa-photography.com/


テキスト:成澤広幸&KARAKUSADO
写真:成澤広幸