宙と生活

天体望遠鏡も知識もないけど「火星大接近」で盛り上がりたい人のための 3案

【宙と生活編集部】

七夕やお月見のように、暮らしの中に溶け込む星空や宇宙の楽しみ方は沢山ありますが、「火星大接近」はまだまだ私達にとって身近とは言えません。

そこで今回は、来たる「火星大接近」をもっと身近に感じられる楽しみ方がないか、宙フェスを運営する「宙フェスプロジェクトチーム」と一緒に考えてみました。

そもそも 火星大接近2018とは?

2018年7月23日現在。
火星と地球との距離はどんどん近づき、最接近するのは7月31日(火)。

実は火星と地球は2年2ヵ月ごとに接近をしていますが、6000万㎞よりも近い距離になるのは2003年以来で15年ぶりのこと。

次にこれほど近づくのは2035年と言われていますので、この貴重なチャンスを楽しまないのはもったいない!

世界最高の起業家と謳われるイーロン・マスクは、人を火星に送るのは2030年代前半と言っているので、次の火星大接近は火星と地球の2か所で盛り上がっているかもしれません。

【火星を探そう!!】
7月31日の夜9時ごろ、南東の低い空を見てみましょう。ひときわ明るく赤い星が火星です。秋ごろまで見頃が続くので、学校や会社の帰りに探してみてください。
(2018年7月情報)

 

なぜ「火星人=タコ」のイメージなの? その秘密を探ってみると…?

宙フェスプロジェクトチームには、大学の天文サークルや宇宙の研究をしている人も多く、火星大接近を楽しむアイデアは沢山出たのですが…

なぜか、もっとも多かったのは「タコ」のネタでした(笑)。

火星といえば、タコのような姿の宇宙人が思い浮かんでしまう…。
その理由は、SFの父と称されるイギリス人作家H・G・ウェルズが1898年に発表した『宇宙戦争』という小説が元になっているよう。

その小説の中で、火星人は大きな頭と退化した四肢をもつ姿として描かれているのです。「火星は地球より重力が小さいため、四肢が軟弱だ」というリアリティのせいで、タコ風の火星人の姿が人々の脳裏から離れなくなったと考えられます。

ちなみに…
消化器官も退化しているため動物の血液を直接摂取するという設定ですが、こちらはあまり浸透していないようです。

また「火星に宇宙人(火星人)がいる」という発想は、『宇宙戦争』が発表された少し前、1877年の「火星大接近」での観測が元になっています。

スキアパレッリというイタリアの天文学者が火星の表面に模様を発見し、それをcanali(溝)と呼んだのですが、英語に翻訳される際にcanals(運河)と誤訳されたため、「運河を作った火星人がいるのではないか」という想像に繋がったようです。

この誤訳がめぐり巡ってH・G・ウェルズに火星人の着想を与えたのかもしれず、いろんな偶然の上に「火星人=タコみたいな宇宙人」というイマジネーションが誕生し、100年以上たった今もみんなの頭をいっぱいにしていることに、フィクションの奥深さと面白さを感じます。


火星大接近の楽しみ方①
「火星を見ながらタコ焼きを食べる」

お月見に月見団子が欠かせないように、火星大接近の日には、火星を愛でつつタコ焼きを食べるのを習慣にするのはいかがでしょう?
たこ焼きの丸いフォルムを火星に見立て、紅ショウガ多めの赤いタコ焼きを用意したり、イチゴ、唐辛子、ジャム、赤ワイン、トマトジュースなど赤い火星にちなんだ赤い食べ物を揃えても楽しそう!
一見、安易に思えますが、七夕の笹は川に、月見団子は月に見立ててられていますから、何かに見立てるのは儀式の基本とも言えます。

 

過去の火星大接近を振り返る…デヴィットボウイの歌は火星づくし?

前回、火星が大接近した2003年はスペースシャトル「コロンビア号」の空中分解事故や、小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられた年で、宇宙開発にとって分岐点的な年でした。

そしてカルチャーの分野では、2003年にiTunes Music Storeが20万曲の楽曲とともにサービスを開始した年でもあるので、「火星大接近と音楽の関係」を少し調べてみました。

アポロ11号の月面着陸に合わせて「スペイス・オディティ」をリリースするなど、星や宇宙をモチーフにした楽曲が多いミュージシャン、デヴィット・ボウイの歌詞には火星がとてもよく出てきます。

たとえば『Life on Mars?』という曲は、「火星での人生はあるのか?」と単調な生活を呪う少女の歌でした(1971年のアルバム「Hunky Dory」に収録)。

その頃、同時に制作された1972年発表のアルバム『ジギー・スターダスト』の原題は、「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」で、ここにも「Mars」(火星)を発見!

この年のボウイの曲は「火星づくし」なのですが、それもそのはず、なんと1971年は「火星大接近」の年だったのです。さきほどのH・G・ウェルズと同様、火星の大接近がアーティスト達に刺激をあたえたのかもしれません。

火星の接近は2年2ヵ月ごとに巡ってきますので、火星の接近ごとに、自分の人生や地球のことを広い視野で考えたり、過去や未来に思いを巡らせるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?


火星大接近の楽しみ方②
「2年2ヵ月ごとに人生や地球について考えてみる」

2年2ヵ月ごとに巡る火星大接近を人生の指標におき、近づく火星を見ながら、地球の未来や自分の人生を考え、長く広い視点でボンヤリしてみては?次回の火星大接近の頃には、火星から地球を見て過ごす人達がいるかもしれません。

 

地球と火星の大接近をきっかけに!?好きな人にも大接近する日に

今回のミーティングでもっとも盛り上がったのが「大接近だけに好きな人にも大接近する日にしたい」というアイデアでした。

バレンタインデーのように、何事にもキッカケは大切ですし、特に恋愛においては多少の偶然や無理のある解釈が背中を押してくれるもの。

2年2ヵ月に一回、火星と地球の大接近の時には大切な人にも大接近!

火星は赤く情熱的な星なので、「火星大接近の日は、愛を告白する日」として定着すれば…すごくロマンティックではないでしょうか?


火星大接近の楽しみ方③
「火星と地球を見習って…大好きな人に大接近する」


まずは、火星観測に誘ってみよう(最低限の天文の知識と、会話に詰まったときのために赤い食べ物を色々と用意しておくと安心)。
告白が成功した時には、火星大接近の日が二人の記念日になるので、一層ロマンティック!(もし失敗したとしても、次の2年2か月の間にきっと傷は癒えると思います…)告白の時には火星モチーフのアクセサリーを用意してさりげなくプレゼントするのも◎!

 

以上、
天体望遠鏡も知識もないけど「火星大接近」で盛り上がりたい人のための3案でした。

火星大接近、少しは身近になりましたでしょうか。
週末も、上を向いて遊ぼう!!


テキスト:KARAKUSADO
協力:宙フェスプロジェクトチーム(HP
天体写真:成澤広幸(HP